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平安神宮
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自然のきらめき

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草木の伝言
 平安神宮神苑の植物は、すべて創建された明治28年(西暦1895年)以降に植栽されたものです。人の手で造り出された杜ですが、100年という年月を経て生き生きと漲る命に満ちあふれています。
 日本庭園には、もちろんその造りだされた風景の美しさを楽しんでいただくという作庭の意図もありますが、植えられた草木は自ずから生えて命を紡いで行きます。一つ一つの生命にふれることは、わたしたち日本人の祖先が共に暮らし、慈しんできたこころを知ることで、平安神宮のご神威をいただくことなのです。


夏にお化粧する 半夏生(はんげしょう)
半夏生  半夏生(ハンゲショウードクダミ科・ハンゲショウ属)は暦の七二候の1つで夏至から数えて11日目の「半夏生」の日にゆかりのある植物で、この頃になると葉先が白くなります。葉の半分だけが白く変わるため、半分白化粧したようで「半化粧」とか「片白草」という名があります。 不思議なことにこの日を過ぎるとおしろいがはげるように再び緑に戻ります。
 水稲農業とともに長い歴史を歩んできたわたしたちの先輩たちは、自然の営みに注目して1年の生活に取り入れて来ました。お百姓さんが苦労して一苗ずつ植えた稲が根付きはじめ、ほっと一息ついた頃が「半夏生」の時季です。
 そして気候の影響を受けて色を変える葉先を眺めながら本年の作柄を占っていたのです。 「今年は上から3枚目まで化粧してくれたから豊作だ。」と、ハンゲショウ餅をつくり、感謝を込めて氏神様にお供えし、家族や隣人とわけあって食べたことなども、昔話になってしまいました。
 収穫が自然の恵・神様からの賜り物でなくなり、人間が育てていると思ったとき、作柄の吉凶を伝えてくれる半夏生はいつしか忘れられ、雑草として除草剤で根こそぎ枯らされ、半分白い葉を見て病気と間違われるようにさえなってしまい、とうとうほとんどが姿を消してしまいした。
 平安神宮の半夏生は、南神苑の片隅にひっそりと生えています。ご祭神のご神威をいただいて今年も葉を半分白くし、季節を知らせてくれています。



橘(たちばな)
橘 橘は蜜柑科に属します。初夏には白地で5弁の小花をつけ、さわやかな香気を放ちます。5月5日の子供の日には『鯉のぼりの歌』にも「たちばな香る朝風に…」と歌われて親しまれています。
 その実は蜜柑に似て小さく1寸(2・3センチ)程で冬には黄色く熟します。古くは「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」といわれ、垂仁天皇の御代に田道間守(たじまもり)によって常世の国から伝えられた「不老長寿の妙薬」とされています。『竹取物語』にも、かぐや姫が求婚者たちににもちかけた難題の一つに「常世の国の非時香果を採ってくるように」というのがありますが、これが橘の実のことなのです。
橘 平安朝の頃より、左近の桜とともに神樹として禁庭に植えられていたもので、平安神宮の大極殿前に往時そのままに植栽されている「左近の桜」と「右近の橘」は、今もシンボルとして参拝者に親しまれています。

 平安神宮では、この右近の橘の実を用いて爽やかにかおる「橘酒」と「橘菓子」(それぞれ1000円)を謹製し授与しています。



梛(なぎ)の葉
 梛は槙(マキ)科の常緑樹で、古くから「神様の宿る神聖な木」という信仰があり、神社のご神木とされてきました。
 葉は長さ3〜8cm程ですが、表面には光沢があり、多くの葉脈が縦にまっすぐにのびています。
梛 昔はこの葉を守り袋に入れて「お守り」にしていたそうです。
「なぎ」の名前から悪鬼を除き、災難を免れると信じられ、晴天をお祈りしたりもしました。
また、縦の葉脈のおかげで横に裂けにくいため、「弁慶伐らず」(弁慶の力でも切れない)「千人切り」(千人でやっと切れる)の異名もあり、嫁入り道具の鏡台の鏡の裏に入れて「ご縁が切れませんように」と縁結びのお守りにされてきたのです。


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